3D路面ペインティング
「Rivers Crossing」吉野もも
3D路面ペインティング
「Rivers Crossing」吉野もも
2021年
TOKYO TORCH Park
東京
作家:吉野もも
クライアント:三菱地所株式会社
アートプロデューサー:コダマシーン(金澤 韻+増井辰一郎)
現場マネジメント:西尾健史(DAYS)
撮影:川瀬一絵
- アートコンサルティング
- キュレーション|企画
- マネジメント|コーディネーション
TOKYO TORCH Parkをトリックアートに変える:吉野もも 3D路面ペインティング
常盤橋タワー前広場「TOKYO TORCH Park」を舞台にした1年間限定の大規模3D路面ペインティングプロジェクトの企画・制作管理を担当しました。クライアントとの議論を踏まえトリックアート的アプローチを採用し、現代美術家・吉野ももに制作を依頼しました。方向性やコンセプトを吉野氏と協議する中で、広場奥を流れる川が手前へと引き込まれたような図案が生まれました。その後の作品完成まで、コダマシーンは下絵補助、制作サポートや現場管理を担当、吉野氏とともに衛星写真でも確認できるスケール感の作品を実現しました。
その他、TOKYO TORCHとの取組は下記ページでもご覧いただけます:
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常盤橋タワー前広場TOKYO TORCH Parkの路面を1年のあいだアートで彩りたいというクライアントの要望を受け、現代美術家・吉野ももと共に、巨大なトリックアートで空間を変容させる提案を行いました。吉野の絵画作品は、コダマシーンがセレクトした常盤橋タワーのアートコレクションにも収蔵されており、平らなキャンバスに描かれているにもかかわらず、折れ曲がっていたり、奥行きがあったりするように見えるという特徴を備えています。前後関係や影が、巧みに絵の具で表現されていることで、リアリティのある錯視効果を生み出しているのです。さらに、吉野は、そうした錯視効果を使って、描かれた空間と実際の空間をシームレスに繋げていきます。例えば、過去の作品には、床に穴が空いているように見える作品や、建物の壁に無限にネオンの窓が続いているかのようなペインティングがあります。本プロジェクトでは、常盤橋タワー前広場の北に流れる川が、吉野の生み出す錯視効果の力で広場全体を流れ抜けていきます。
宇宙からも見えるほどに巨大なペインティングを、アーティスト個人で制作するのは困難です。そこで、下絵作成の補助や、制作サポート、現場管理などもコダマシーンが一括して引き受け、コンセプトの立ち上げ段階からプロジェクトの完了まで、作家やクライアントと密接にコミュニケーションをとりながら伴走することになりました。8m×90mの区画に、吉野が複数人のアシスタントと共にペインティングを施し、二度にわたる台風の影響もありながら、約1ヶ月をかけて完成に至りました。
こうした路面ペインティングの萌芽は、2014年ごろから吉野が取り組んでいた「妄想ドローイング」という作品シリーズにすでに含まれていたと言えます。撮影した街の写真に、さまざまな錯視効果を描きこむことで、街の様子がガラリと変わってしまう様子を「妄想」する作品群——その「妄想」のひとつが、常盤橋タワー前広場で現実のものとなったのです。
吉野もも
視覚的なしかけを利用したトリッキーな作品を制作。
2次元の絵がまわりの環境と干渉し合い、非日常の異空間を発生させる。
TOKYO TORCH 常盤橋タワー3階 MY SHOKUDO Cafeでも、折り紙をモチーフにした5点のコミッションワークを手掛ける。
【略歴】
1988 東京都生まれ。埼玉県在住。
2015 東京藝術大学大学院 美術研究科 油画専攻修士課程 修了
主な個展
2018 「being」rin art association, 高崎 , 群馬
2017 「Link」西武渋谷店 全館プロモーション, 東京
2015 「Transformation」Hasu no hana, 東京
主なグループ展
2020「アートプロジェクト高崎」, 群馬
2020「天王洲アートフェスティバル」, 東京
2019 「画のなかとそと」, ANAインターコンチネンタルホテル東京, 東京
2019 「正しい歪み方」, KOGANEI ART SPOT シャトー 2F, 東京
受賞歴
2015「TURNER AWARD 2014」未来賞 受賞
神山財団芸術支援プログラム第一回卒業成果展 神山賞 受賞
2014「TURNER AWARD 2013」未来賞 受賞
石橋財団国際交流油画奨学生
2012福沢一郎賞 (卒業制作優秀賞) 受賞
「GTS AWARD」奨励賞 受賞
2009「via art 2009」KURATA賞 受賞