リノベーションプロジェクト
「Funny Hearth 襖絵プロジェクト」

リノベーションプロジェクト
「Funny Hearth 襖絵プロジェクト」

2023年
紀泉わいわい村FUNNY HEARTH
大阪府

作家:瀬川祐美子、平松可南子、スギサキハルナ、天牛美矢子、松岡柚歩、清川漠
クライアント:株式会社Andeco
アートプロデューサー:コダマシーン(金澤韻+増井辰一郎)

  • アートコンサルティング
  • キュレーション|企画
  • マネジメント|コーディネーション

古民家をアートの力でリノベーションし、襖絵のアイデアを取り入れることで、「宿泊できるアート作品」へと昇華させました。

自然公園「大阪府民の森ほりご園地」にある古民家宿泊・キャンプ施設「紀泉わいわい村 FUNNY HEARTH」。教育関連施設として使われていた6つの宿泊棟をファミリーや若者向けに改修したいというクライアントの要望に応え、リノベーションプランを提案しました。若手作家6名による絵画作品を襖絵にすることで、味わい深い古民家風の建物を活かしつつ、作家それぞれの描き出す世界観に包まれるような宿泊空間を実現しています。

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6名のアーティストは、卓越した画力で独自の世界観を表現している新進作家を、コダマシーンが熟慮を重ねて選び出しました。

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【雅1 作家:瀬川祐美子

「もとは光や輝きをテーマにした展覧会のために制作した作品でした。外から照らしてくれる光もあれば、内側から心を照らしてくれる光もあると思います。ここでは特に、自分が励まされた記憶や温かい感情が、掌や胸の内から外へ広がるようなイメージを作品に込めました。ふすまというフォーマットに合わせて、暗闇から光がはじけて広がっていく様子を表現しました。」(瀬川祐美子・談)

瀬川祐美子

東京藝術大学大学院修了。2019〜2020年ミュンスター美術大学Guest student。知覚された景色が身体を通って感情や行動となる過程や心の動きそのものに関心を寄せ、絵画を制作。2012年東京藝術大学安宅賞受賞、2014年第32回明日をひらく絵画上野の森美術館大賞展賞候補、2016年第一回佐藤一郎賞受賞、2017年、Artists in FAS (藤沢市アートスペース)選出。2019年ポーラ美術振興財団在外研修生。

https://www.instagram.com/yumigor

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【雅2 作家:平松可南子

「この作品は噴水シリーズの一部で、内側から見た噴水を描いています。通常は見られない噴水の内側を、想像と現実の風景を織り交ぜて表現しました。噴水が常に形を変える様子をコンセプトにしており、この変化が自身のテーマでもあります。ふすまを移動させると絵も変わりますよね。そうした展示空間自体の動きや、人々の移動が、噴水の動きと重なり、テーマと非常にマッチしたと感じています。」(平松可南子・談)

平松可南子

東京藝術大学大学院修了。噴水など流動的なものをモチーフに、新鮮な鑑賞体験を生み出す絵画や空間表現を手がける。これまでの主な展覧会に、「イ 反」(三菱一号館歴史資料室、東京、2023)、「少しずつちがう」(アークヒルズ、東京、2022)などがある。ART IN THE OFFICE 2022選出アーティスト。アートアワードトーキョー丸の内2022三菱地所賞、2020年京都造形芸術大学卒業展奨励賞受賞。

https://www.instagram.com/kanak_hiramatsu

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【雅3 作家:スギサキハルナ

「今回の新作は、滞在者が里山のエネルギーを体感できるような作品です。コンセプトは、滞在する方が滞在中に目にするであろうものをモチーフにして制作しました。自然の循環するエネルギーを感じ、味わいながら、自然との一体感を楽しんでほしいという願いを込めました。」(スギサキハルナ・談)

スギサキハルナ

東京造形大学卒業。土や煤(すす)、蠣殻などを素材に天然の顔料を作り、絵画を制作。日本やインドの森林地帯での滞在制作も行う。主な個展に、「里山を見守る者たち」(横浜歴史博物館、横浜、2022)、「山の踊り」(西会津国際芸術村西、2019)、グループ展に、「生土礼賛」(上海明珠美術館、上海、2023)、「Forest art Festival in Ladakh 2023」(インド、2017、2023)、「原始感覚美術祭」(長野、2022)など。2017年ZOKEI賞受賞。

https://www.instagram.com/harunasugisaki_art

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【雅4 作家:天牛美矢子

「今回はキャンプ場が舞台となるので、山や森をテーマにしたものにしようと考えました。この作品は「のけ者たちの夜」というタイトルで、山の中に潜む不思議な存在について感じてもらおうと、のけ者たちが居場所を求めてさまよっている様子を描いています。全体的には暗い雰囲気もありますが、彼らを包み込む、山や森の優しさも表現しました。」(天牛美矢子・談)

天牛美矢子

京都市立芸術大学大学院修了。2014年Royal College of Art交換留学生。古今東西の物語に興味を持ち、布や革などを主な素材として物語性のある独自の世界観を表現する。主な個展に「Propagareの悪魔」(COHJU contemporary art、京都、2022 )、グループ展に、「将来を期待される若手染織作家展 染の広角 染の鋭角」(染・清流館、京都、2017)、「京都新鋭選抜展」 (京都文化博物館、京都、2016)など。3331 Art fair 2019山本敦子賞受賞。

https://www.instagram.com/miyakoten/

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【雅5 作家:松岡柚歩

「私は、どの角度から見てもいいように絵画を制作しています。格子柄をよく使うのはそのためです。この空間では、ふすまが移動することによって、絵の配置が入れ替わったり、またつながって見えたりする点が面白いと感じました。自然にはない色を使っているので、一見合わなさそうな要素が並ぶことで、新しい視点が生まれていることが魅力だと思います。」(松岡柚歩・談)

松岡柚歩

京都芸術大学大学院修了。絵具の素材感に惹かれ、ひとつの“もの”としてどの方向から見ても成り立つ絵画を制作。主な個展に、「冗長な月」(CANDYBAR GALLERY、東京、2023)、「針の穴から天を覗く」(FOAM CONTEMPORARY、東京、2023)、主なグループ展に「京都府新鋭選抜展」(京都府京都文化博物館、京都、2023)など。2021年アートアワードトーキョー丸の内2021 Proactive賞、シェル美術賞2020学生特別賞受賞。

https://www.instagram.com/yuzuhomatsuoka

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【雅6 作家:清川漠

「荒れ狂う海を描いた作品と、盆栽を描いた作品を組み合わせています。海のほうは、もとは1m×2mが四つ並んだ大きな作品です。盆栽のほうは、もとは小さな作品でした。筆ではなく、つるっとしたアクリル板に描いて削る手法で、独特の質感を出しています。それを和室のふすまにアレンジしたことで、芸術と空間の奇跡的なコラボレーションが実現しました。」(清川漠・談)

清川漠

⼥⼦美術⼤学卒業。彫刻と版画、そして絵画の技法を組み合わせて「獏嵌(ばくがん)」という制作手法を独自に生み出し、実験的な作品に取り組む。主な個展に、「触感と反射」(FOAM Contemporary、東京、2024)、「清川漠展」(⽇本橋三越本店美術サロン、東京、2021)、「空々漠漠」(cocoto、京都、2021)、「withdrawal」(⻲⼾アートセンター、東京、2021)など。CAF賞2020⼊選、SICF21⽥中景⼦賞受賞。

https://www.instagram.com/bakukiyokawa