展覧会
「APPLE+」
三木健

展覧会
「APPLE+」
三木健

2017年
上海当代芸術館
上海
2018年
dna 国際芸術展館
西安
-
向明中学
上海

デザイナー・アーティスト:三木 健
クライアント:上海美術設計有限公司
マネジメント:コダマシーン(増井辰一郎)

  • マネジメント|コーディネーション

グラフィックデザイナー三木健の展覧会と書籍を中国で展開

これまでも書籍化や展覧会化がされてきたグラフィックデザイナー三木健の授業。それを展覧会のかたちで中国で紹介するにあたって、増井辰一郎がマネジメントやコーディネート、そして制作進行管理を包括的に担当しました。誰もが知る果物の「りんご」をテーマに三木が展開するデザインの授業は、さまざまな異なった視点でものを見る目を培います。そうした学びをアクティブに体験できる展覧会を開催するため、什器の設計も含めた空間構成やコーディネートのサポートを行いました。当展覧会は、上海当代芸術館で開催されたのち、西安に巡回し、さらにその一部が上海の向明中学で5年間展示されました。

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グラフィックデザイナーの三木健は、2012年から1年生を対象とした授業を大阪芸術大学デザイン学科で受け持っています。そこでは、「りんご」をテーマに15のプログラムが展開されます。りんごを分解し、理解し、発想を広げる。三木は、こんなふうに語っています。

「僕の授業では、理解することからはじめます。構造的に分解してみる、色の種類を調べてみる、皮の長さを測ってみる。そうした工程を経た後に、あらためて編集していくわけです。たとえば、点だけでりんごを描いてみたり、パラパラマンガにしてみたり。もしくはりんごから連想する言葉を100個出す課題もあります。これが簡単なようで難しい。30個くらいはなんとか出るんだけど、50個になると僕でもなかなか出てこない(笑)。最初から100個言える人はおそらくいないのではないでしょうか」 

こうしたユニークな授業は、2015年にギンザ・グラフィック・ギャラリーで展覧会になったのを皮切りに、スイスのラース・ミュラー・パブリッシャーズから国際出版もされました。

三木の取り組みに心惹かれた上海美術設計有限公司から中国での展覧会の開催と書籍出版のオファーがあり、そのサポートとして増井辰一郎がマネジメントやコーディネート、そして制作進行管理までを包括的に担いました。三木健の求めるクオリティに応え、展示物の繊細な調整を行い、什器の設計なども実施。中国での展覧会が実現しました。

上海に位置する上海当代芸術館で展示を行ったのち、西安への展覧会の巡回も実施。さらに、その一部を上海の中高一貫校である向明中学で5年間にわたって展示するなど、日本のデザイン教育が展覧会というかたちで海をわたり、中国の学生の学びの糧になっています。

現場で用いる什器の設計や展覧会に伴って展開したグッズのコーディネート、そして書籍での中国語へのアダプテーションなど、ハード面からソフト面まで、増井が包括的な支援を提供しました。

三木 健

1982年三木健デザイン事務所設立。話すようにデザインを進める「話すデザイン」と、モノやコトの根源を探る「聞くデザイン」で、物語性のあるデザインを展開。「気づきに気づく」をテーマに、静かな表現の中にエモーショナルなコミュニケーションを潜ませる。近年、学びをデザインするプロジェクト「APPLE」を展開。2015年gggにて「APPLE+」展を開催。このプロジェクトを背景にもつポスターで第18回亀倉雄策賞を受賞。その後、国内のギャラリー、美術館を巡回。2017年10月より中国上海のMuseum of Contemporary Art Shanghai にて「APPLE+」展を開催。今後、この展覧会を皮切りに中国国内の美術館を巡回。書籍「APPLE」が、2014年英語版、2017年中国語版、日本語版、2018年韓国語版として出版。2018年4月、大阪芸術大学芸術情報センター 図書館内に「りんごデザイン研究所」を開設。主な仕事に、世界グラフィックデザイン会議コングレスキット、日本アイ・ビー・エム ThinkPadプロモーション、ベルメゾン、大阪薬科大学、京急百貨店、近鉄ホールディングスのシンボルマーク、コシノヒロコ一連のブランディング、京都の洋菓子店マールブランシュの一連のブランディングなど。主な受賞に第18回亀倉雄策賞受賞、日本タイポグラフィ年鑑グランプリ、世界ポスタートリエンナーレトヤマ銀賞、JAGDA新人賞、NY ADC優秀賞、D&ADイエローペンシル賞受賞など国内外で多数。大阪芸術大学教授。大阪芸術大学附属 大阪美術専門学校校長。