回遊型展覧会
「Art Rhizome KYOTO 2024
逆旅京都(げきりょきょうと)」

回遊型展覧会
「Art Rhizome KYOTO 2024
逆旅京都(げきりょきょうと)」

2024年9月3日〜11月6日
京都市内10箇所(INTA-NET KYOTO/関西日仏学館/京都市役所分庁舎/Sfera (0F Café DOnG by Sfera)/ No.317 アニュアルギャラリー/ホステルニニルーム/ホテル ザ セレスティン京都祇園/ホテルリングス京都/堀川新文化ビルヂング/RC HOTEL 京都八坂)
京都府

作家:呉 雯雯/清原 遥/品川 亮/嶋 春香/澄 毅/高田マル/谷本真理/中村夏野/長谷川由貴/林 勇気/湊 茉莉/宮田彩加/森 夕香/吉浦眞琴

クライアント:京都市
助成:文化庁
企画チーム:金澤 韻、増井辰一郎、櫻岡 聡、平野成悟(公募)、黃 慕薇(公募)
グラフィックデザイン:綱島卓也

オフィシャルサイト

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若手作家と京都のまちを結ぶ、回遊型展覧会「Art Rhizome KYOTO」を物語仕立てで構成

宿泊施設、商業施設、公共空間など、文化と歴史のまち・京都の各会場をつなぎ、若手アーティストの展示を行うアートイベント「Art Rhizome KYOTO」。コダマシーンは京都市内の10箇所の会場で、14名の作家の選定および交渉、全体のストーリー構築、展示設営のコンサルテーションやディレクションも含めて、幅広く担当しました。
「旅人を迎え入れる宿」を意味する「逆旅(げきりょ)」という古語をテーマに、順路と作品を描き出す紀行文(短編小説)を金澤韻が執筆し、10箇所の展示をひとつの展覧会としてまとめました。リアルとフィクションが重なる鑑賞体験を演出しました。

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紀行文(小説)「逆旅京都」 https://artrhizome.kyoto/kw_travelogue

(記録集序文より)

Art Rhizome KYOTOは、ふだん必ずしも美術の展示を行うわけではない場所で、必ずしも美術のファンというわけではない観客に向けて開催される、京都市主催の回遊型アートイベントです。私たちが取り組んだ2024年9月〜11月のエディションでは、宿泊施設、商業施設、公共空間など10箇所を会場に、京都ゆかりのアーティスト14名が作品を展示しました。

市内に散らばる各会場をひとつの展覧会としてつなぐため、ひとりの旅人が京都のまちを歩き、全10会場を訪れるストーリー、「逆旅京都」(げきりょきょうと)を書きました。「逆旅」は宿を意味する古い言葉です。千年の歴史をもつ京都が、さまざまな人・もの・出来事を迎え入れてきたこと、またそこに居合わせた私たちの縁について、展示作品に対する思考を織り交ぜながら記述しています。

「逆旅京都」という物語について少し触れさせてください。京都の旅と並行して旅人の故郷ではある事件が起こり、彼女は移動することや生きていくことそのものについて切実な感情を抱きます。このストーリーの補助線を通じて、現代ではときに迷惑者のように扱われがちな名もなき観光客の視点から、京都の風景と作品が立ち上がってきます。私は、地理や歴史、時間の流れの中に私たちがいること、そして美術作品もまた、そのつながりの中で生まれ、多くの人生に関わっていくものだということを考えてみたかったのです。

この記録が展覧会図録の役割を超えてそういったひとつの旅の体験のように読まれることを願っています。最後になりましたが、素晴らしい作品を展示してくださった参加作家のみなさま、美しい空間を会場として提供してくださった各施設のみなさま、また本企画を実現に導いた多くの関係者のみなさまに心から感謝申し上げます。

Art Rhizome KYOTO 2024逆旅京都 企画チームを代表して

金澤 韻(かなざわこだま:キュレーター)