展覧会「生土礼賛(うぶすならいさん)」
展覧会「生土礼賛(うぶすならいさん)」
2023年
上海明珠美術館
上海
作家:スギサキハルナ、シャオ・レイ、シエ・ウェンディ、ソー・ウィン・ポー、カッチャ・シェンカー、鈴木晋作
キュレーター:李丹丹、穆鈞、飯島剛宗、Code-a-Machine(金澤 韻+増井辰一郎)
展覧会デザイン:KUMO
展覧会コーディネーター:孫露(明珠美術館 PAM)
グラフィックデザイン:宮本 徹、高野 直、志賀康弘
翻訳:林葉、袁璟
イラストレーション:宇山 紡
- キュレーション|企画
- 執筆
建築・芸術・科学を横断する日中協働プロジェクト: 土と版築を再発見する試み
上海明珠美術館で開催された、土と版築に光を当てた展覧会。持続可能性が求められる現代、人と環境にやさしい建築技法・版築の価値を見直そうと、中国と日本の専門家が協働し、芸術・建築・デザイン・科学の視点を取り入れた本展に、コダマシーンはキュレーターチームの一員として参加。全体の構成や芸術的な広がりを付加する役割を担いました。金澤は土を主人公とするシナリオを執筆し、多岐にわたる展示物に背骨となるストーリーを与えました。さらに、パフォーマンス、ガラス彫刻、現代陶芸、漢方を用いたインスタレーションなど、多様な現代美術作家5名を展示に組み込んでいます。
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(展覧会冒頭の「ごあいさつ」より)
版築でできた家は防音に優れとても静かで、温湿度も調整するため空調が不要——。私は初めてその話を聞いた時、版築と土に魅せられました。自然の恵みとともに暮らす意義を改めて思います。
この展覧会を組み上げるにあたり、「土」を語り部に、この星・地球ができる前から存在し、長い時を経て今も私たちの身辺にある者としての土の物語を描き出しました。そこには、私たちを育て、保護する土の偉大な力を見出すことができます。
さらに、人類が利用する対象としてだけではない、さまざまな在りようを見せる土の姿も浮かんできます。私たちは今回5人の現代美術家をお招きし、土をめぐる想像を最大限に拡張します。
このように、本展は建築、科学、芸術を横断する、超越した視野をもつものです。
文明が発展し、全世界的な気候変動に直面する現代、持続可能性について多くの人が意識し始めています。土の物語を読み、長い時間を旅する中で、いま与えられている自然の豊かさを知り、これからを共に考えてみていただければ幸いです。
金澤韻(コダマシーン)