アートコレクション
TOKYO TORCH常盤橋タワー

アートコレクション
TOKYO TORCH常盤橋タワー

2021年
TOKYO TORCH 常盤橋タワー
東京

アーティスト:横山 修/桑田卓郎/品川 亮/鈴木啓太 プロダクトデザインセンター/New Light Pottery/ワン・イー/吉野もも/KIGI/荒牧 悠/大庭大介/ジョン・ヘリョン/タン・ジエ/森山 茜/ジェイコブ・ハシモト/横山裕一/ラファエル・ローゼンダール/宮田彩加/長坂 常(スキーマ建築計画)

クライアント:三菱地所株式会社
企画・ディレクション:コダマシーン(金澤 韻+増井辰一郎)
プロジェクトメンバー:中原崇志(デンバクファノデザイン)/角尾 舞
アシスタント:園部達理
テクニカル:HIGURE 17-15 cas
PR:小池美紀(HOW)

<映像>
監督:松平 直之(デンバクファノデザイン)
撮影:寺本 慎太郎
照明:長橋 隆一郎
<撮影>
太田拓海

  • キュレーション|企画
  • アートコンサルティング
  • マネジメント|コーディネーション
  • リサーチ
  • 執筆

伝統と未来をつなぐアートコレクション

三菱地所によるTOKYO TORCH 常盤橋タワーにおいて、アート作品18点のコンセプト、選定、コミッションの依頼、納入・設置まで担当しました。クライアントから示されたのは、常盤橋エリアが江戸城の表玄関であった時代から現代に至るまでの歴史を踏まえ、日本の伝統と未来をつなぐというコンセプトでした。コダマシーンは、「伝統の中に光る奇想の系譜」というテーマを独自に設定し、建築の意匠と調和しながら活気を与えるカラフルでエキセントリックな作品を選定・制作委託しました。若手アーティストを中心に、現代美術・デザイン・工芸、そして海外作家を含む領域横断的なディレクションを行いました。


その他、TOKYO TORCHとの取組は下記ページでもご覧いただけます:

ディスプレイTOKYO TORCH 常盤橋タワー 3階 My Shokudo



3D路面ペインティング「Rivers Crossing」吉野もも


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伝統の中に光る奇想の系譜

——常盤橋タワーのアートコレクション

金澤 韻(コダマシーン)

東京駅のすぐ隣、江戸城の表玄関であったエリアに立つ常盤橋タワーに、18のアートワークを設置します。私にとってこのプロジェクトは、江戸時代から現在を経て未来へと流れこむ時間軸と、海外から日本を/日本から世界を見渡す視線が交差する空間軸の、結節点に立ち上がりました。

歴史的なコンテクストとこれからの時代をつなぐように、陶、竹、漆、日本画といった伝統的な素材と技術の上に、新しい表現を模索する作家を意識的に起用、また、建物の江戸切子をモチーフとした意匠などとの連続性を意識し、幾何学模様を取り入れた作品を複数採用しました。そして東アジアの思索の伝統を下敷きに、自然素材や自然の力をモチーフにした作品を含めています。それは持続可能な社会の実現を願う意志の表明でもあります。

作家は、常盤橋プロジェクトの未来志向に沿い、おおむね40代以下の若手で構成しました。また5人の海外作家を起用したことも含め、日本と親和性のあるテーマを標榜しながらも全体にグローバルな視点が感じられるようになっています。

落ち着きのある建築空間の中、視点のポイントを作るのは、日本文化の中でも特に華やかで奇想的なエレメントです。赤、青、マゼンタ、浅黄、若緑、そして金や銀−−それは、歌舞伎や日本各地の祭り、寺社、また都市の電気街、商店街などに見られるエキセントリックで鮮烈な色の感覚。このカラーパレットが、未知の世界、異次元への想像力を高めてくれるでしょう。歴史・文化の奥深いレイヤー、変化する時の流れと未来予報、日本と世界が交錯する常盤橋を、力強く表現するアートコレクションです。
(記録集序文より)

<TOKYO TORCHのwebsiteに金澤が寄稿した作品解説>

現代の奇想の系譜——常盤橋タワーのアートコレクション①

常盤橋と日本の文化——常盤橋タワーのアートコレクション②

持続可能性のヴィジョン——常盤橋タワーのアートコレクション③

建築とアート、最高の組み合わせとは?——常盤橋タワーのアートコレクション④

それぞれの毎日に——常盤橋タワーのアートコレクション⑤